うちの子紹介10人目 ~綾瀬亜美さんの事情~ その10 

2009, 07. 22 (Wed) 23:50

世間では、HTドルパ名古屋4の限定DDが公開されて大盛り上がりのことと
思いますが、いつも通り水曜・土曜・日曜に一話UPです。


途中、3回も別な記事を挟んでしまいましたので、時間の取れる方は、
その9を読み直してから進んだ方が、流れを思い出せるかもしれません。

※続きもののドールコントですので、前回までをお読みでない方は、その1~9を先に
 お読みになってからご覧くださいませ~。

亜美324
スギケン「なん・・・・だって?」


亜美「君は・・・・いつのスギケン君なの?」
亜美215


スギケン「いつ・・・?」


スギケン「・・・・・・・・・。」


長い事一緒だったから分かる。
あの亜美の表情は、確信に迫っているというか、オレがどんな
誤魔化しをしても、通用しない目だ。
オレの言い訳を、全て覆すだけの理論を秘めている・・・。
亜美218


だからもう・・・オレは観念するしかなかった。


スギケン「・・・・・・未来。」

亜美は目を少し見開き驚いている・・・・。
驚きの理由は二つだろう・・・
一つ目は、オレが未来から来たという事実。
二つ目は、オレが素直に認めた事・・・。
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亜美「それは・・・・・何年後の?」
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スギケン「それは言えない。」

亜美「・・・・・・・・・・。」
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亜美の表情が曇る。
彼女は頭が良いから、その状況から、ある程度の未来を
想定しているのだろう・・・。

想定出来る未来は、それ程多くは無い・・・

どちらにしても、オレが、こうしてわざわざ会いに来るという事は、
未来で二人は一緒にいない状況にあるという事は、断定出来る・・・。

亜美「未来のスギケン君は、なんで私に会いに来たの?」
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彼女の表情が不安そうになって曇る・・・。

くっ・・・・もう涙が溢れるのを堪えきれず、オレは思わず彼女から視線を
逸らしてしまった・・・。



それでも、オレは本当の事を言う訳にはいかない。

なんとしても、彼女を安心させなければいけない。



スギケン「オレ・・・・・亜美が海外に出張になってからさ・・・
     事情があって引っ越さなきゃならなくなって・・・
     それ以来、もうお互い会ってないんだよ・・・。」

亜美「私の住んでいる場所は変わらないんだから、
   会おうと思えば会えるよね・・・。
   それはスギケン君が・・・・私にはもう会いに来てくれないって事?」

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スギケン「うん。」

亜美「・・・・・なぜ?」
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スギケン「え・・・・と・・・。 亜美はさ。
     出張から戻ると、良い相手を見つけて結婚するんだよ。
     だからさ・・・幸せな家庭を築いてる所に
     オレなんかが行ったら、旦那が良い思いしないだろ?
     だからさ・・・行ってないんだよ。」


亜美「スギケン君は・・・誰かと一緒になってるの?」
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スギケン「オレは、こんな奴だからさ・・・。
      ・・・相手なんてまだ居ないよ。(苦笑)」

スギケン「亜美・・・気になってる奴とか、一人くらい居るだろ?
      きっとそいつだよ。(^^;)」

亜美「そっか・・・。」
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スギケン「うん、そうだよ。」


亜美「そういう事か・・・。」
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スギケン「うん・・・そういう事・・・。」




亜美「スギケン君・・・。」
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スギケン「・・・・うん。」

亜美「・・・・・・・・・・・。」
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亜美「私・・・・明日、何かあるの?」
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スギケン(・・・!!!)


なんとなく信じてくれたと思っていた彼女の口から、
そんな言葉が出てきたので・・・オレは内心動揺してしまった・・・。


スギケン「・・・ったく、馬鹿だな。
     だから言っただろ? 何にもないって。
     お前は帰国後、幸せな家庭を築くんだって!」



亜美「・・・・・・・・・・。」
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亜美「クス・・・・・・スギケン君・・・・それは無い。」
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スギケン「そんな事ない!!」


オレは、もう彼女に信じてもらおうと必死だった。


スギケン「亜美は・・・・今も・・・・元気で・・・
      しあわ・・・せに・・・」

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くそ・・・・どうして、こうも・・・・涙が溢れて・・・・

いけない・・・。

オレは後ろを向くと、泣いている無様な姿をかろうじて
彼女の視界から外した。


スギケン「くらして・・・
      いるんだって!!」


後ろ向きのまま、声を張り上げる。


亜美「・・・・・・・・・。」
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亜美「クス・・・・・相変わらず・・・・嘘をつくのが下手だね。
   スギケン君は。(^^)」

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スギケン「だから、そうじゃないって・・・。」


亜美「でもね、そういう不器用な所って・・・
   結構私は好きだな。」

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スギケン「・・・・・・・・・・・・・。(´・ω・`)」


彼女は、少し落ち着いたのか、大分冷静になっていた。
そんな彼女を見ながら・・・・オレはもう、否定も出来ず、
ただ無言でいる事しか出来なかった・・・。


亜美「そう・・・・明日か・・・。」
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スギケン「だから大丈夫だって言ってるじゃん!
      別に明日は関係無いって!!」


なんとか涙を拭き取ったオレは、振り返ると、
彼女の肩を掴んで、声を上げて言った。
悪あがきもいいところだ・・・。


亜美「だったら・・・・鍵・・・。」
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スギケン「・・・・・え?」


亜美「今のスギケン君の家の鍵、貸してよ。
   帰国したら私から会いに行くから。」

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オレの鍵? まぁ・・・今と住んでる所が変わっている訳じゃないから
ポケットの中には一つ入っているけど・・・。
これとは別に合鍵を家の外に隠してあるから、渡してもなんとか
家には入れるよな・・・。

スギケン「あぁ・・・良いよ。」

オレはポケットを探ると自分の家の鍵を取り出して
彼女に手渡した。

渡してから、“あ・・・引っ越したなら、今、その引越し先の鍵を過去のオレが
持っている訳ないじゃん・・・”とも思ったが、よくよく考えてみれば、
彼女は、この意識入れ替えというタイムスリップの仕組みを知らない訳だから、
大丈夫か・・・と思った。


亜美「未来か・・・・。」
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亜美「スギケン君、時間移動が出来る時代から来たってことは・・・
   もしかして、結構先の未来から来てる?」

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スギケン「いや・・・それが、実はそうでもなくて、
      社会的には、まだ時間移動なんて確立されていないよ。
      オレのは特別。」

亜美「そっか・・・。」
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亜美「でも・・・スギケン君は未来でも元気そうで安心したよ。」
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スギケン「うん・・・。」

亜美「雰囲気は変わったけど、基本は一緒だったし。w」
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スギケン「うん・・・。」

スギケン「・・・って、その意見は喜んで良いものやら、
      ちょっと判断に苦しむけどね・・・。(^^;)」




ザザーーーーッ・・・・


夜風の中、静かに波の音が鳴り続ける。

亜美「この波音は・・・・今まで何回鳴ったんだろうね・・・・。
   ずっと変わらず、ずっと・・・。」

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亜美「・・・・・・・。」
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亜美「未来でも、変わらず一緒だったら良かったね・・・。(^^)」
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スギケン「・・・・・・うん。」

スギケン「・・・亜美・・・さ。」

亜美「ん?」
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スギケン「ごめんな・・・・。」

亜美「・・・なんで謝るの・・・?」
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スギケン「オレさ・・・・。特に面白い奴なわけでもないし・・・。
      何か他人より目立つ何かを持ってるわけでもないしさ。
      ・・・・オレなんか友達でもつまらなかっただろ?

      こうして戻ってきても・・・結局、亜美を困らせるだけで、
      馬鹿な立ち回りしか出来なかったしさ・・・ホントごめんな・・。」



亜美「クス・・・・何を言い出すのかと思ったら・・・。」
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スギケン「・・・・・・・・・・。」


亜美「普通そんな事、考えもしないって。(^^)」
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亜美「・・・・やっぱり君はスギケン君だね。」
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スギケン「・・・・・・・・・・・。」


亜美「私は、君と出会えて、本当に良かったと思っているよ。」
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そして・・・穏やかな表情でオレの渡した鍵を見つめていた彼女は、
腕を後ろで組みながら、クルッと回ってオレの方を向き直ると・・・


亜美「さっき・・・私の家でスギケン君、言ってくれたじゃない・・・。」
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スギケン「・・・・え・・・?」




亜美「あれ・・・本当は・・・私、結構嬉しかったんだよ。」
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・・・そう小さな声で言った彼女の瞳にも
光る涙があった・・・。



それを見たオレは・・・・もう我慢できずに、その場に
泣き崩れてしまった・・・・。





つづく

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