スギケンの闇鍋風ドールブログ

ドールの話をメインに、カメラ、漫画、イラスト、アニメ、映画など、ある方面に偏った趣味を闇鍋風に送る不定期日記です。                

うちの子紹介10人目 ~綾瀬亜美さんの事情~ その3

前回の続きです~。

続きもののドールコントですので、前回までをお読みでない方は、その1~2を先に
お読みになってからご覧くださいませ~。

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2年後 2009年5月現在



スギケン「う~ん・・・・。」

まだ目が覚めやらぬまどろみの中、ゆっくりと思考を働かせる。

スギケン「朝か・・・・今何時だ?」

手探りで目覚まし時計を探し当てると、ゆっくりと目を開け時間を見る。

9時か・・・・良く寝たな・・・。

今日は土曜日。
とはいえ、久しぶりに会社も休みなので、今日一日ゆっくりと休む事が出来る。

それにしても・・・・懐かしい夢を見たな・・・。


約束・・・・か。


亜美が飛行機事故でこの世を去ってから、もう2年の月日が流れている。
あれからオレの周囲の環境もめまぐるしく変わった。



楓さん姉弟との出会い。
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エステルとの出会い。
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水銀燈との出会い。
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長靴を履いた猫、ルネとの出会い。
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当時は広い家屋にたった一人で住み込んでいたオレだけど、今では
自分も入れて六人家族。賑やかになったものだ。

彼女らの温かさに・・・・救われているよな・・・オレ。

って、はは・・・なんだか懐かしい夢を見た直後のせいか、少し感傷的に
なっているよな・・・オレ。(^^;)


そうか・・・・。
もう・・・二年になるのか・・・・。
今はもう流石に夜空に向かって祈りを捧げてはいなかった。

ふと、小脇にある机に目をやる・・・。

引き出しを開けると、少し古びたノートが出てきた。

スギケン「・・・・・・・・・・・・。」

このノートには、当時のオレが知りうる限りの、亜美との思い出と
彼女の事が書かれている。

スギケン「はぁ・・・・・・。」

中を見るでもなく、オレは暫くの間ぼんやりとノートの表紙を眺めていた。

こうして、このノートを見ていると・・・・・いまだに辛いよな・・・。


消えかけていた傷口が開きそうな感覚に襲われる・・・。



楓「どうしたのです? スギケンさん。」
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スギケン「うわっ!!!」

楓「・・・・?」
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スギケン「ちょ、楓さん、何時の間に部屋に・・・。(^^;)」

楓「ノックはしましたが、いっこうに返事がないので、少し心配になって
  勝手に入ってしまいました・・・。」

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スギケン「あ・・・いえ、良いんですよ。少し考え事をしていたものですから・・・。(苦笑)」

楓「・・・・・・・・・・・。」
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楓「そのノートは、なんですか?」
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スギケン「・・・・いえ。 大したものじゃないんです・・・。」

楓「・・・・・・・・・・・・・。」

スギケン「少し昔の・・・・単なる思い出の品です。」

楓「スギケンさん・・・・。」

スギケン「はい?」

楓「何か・・・過去に後悔するような事でもありましたか?」
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ドキッ!!

相変わらず楓さんは鋭い・・・。
彼女が魔術師だか魔法使いだか・・・・良くは分からないけど、
そういった類の人間だから、人並みはずれて洞察力が優れてるって
事もあるんだろうけど・・・。

スギケン「・・・・・・・・・・。」

スギケン「それはあるでしょう・・・。この歳まで生きていれば、
      やり直したい過去なんて多少はありますよ・・・誰でもね。」

やばいな。
二年の歳月が流れているとはいえ、第三者に思い出話として話が出来るほど、
まだ気持ちの整理は出来ていない・・・。あまり触れられたくない話題だ。
気持ちは分かるけど、これ以上好奇心で質問攻めにあうのは避けたいところだよな・・・。


楓「分かりました。それ以上は、しゃべらなくていいです。」
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スギケン「は・・・はぁ。 そう言っていただけると助かります。」

少し拍子抜けだ・・・・。
いつもの楓さんなら、もっと・・・・って、あれ!!

気が付くと・・・楓さんはオレが持っているノートに手を翳して
ゆっくりと目を閉じていた。
勿論彼女に“そんな”力があるなんて事は知らないが、
この行動は恐らく“そう”いう事だろう。


スギケン「ちょ! 待ってよ! 楓さん・・・それは反則・・・。」


楓「・・・・・・・・・・・・・・。」
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ゆっくりと手を戻した楓さんは、少し考え込んでいるようだった・・・。

スギケン「・・・・・・・・・・・・・。」

辛い思い出に無理やり土足で踏み込まれた気がして、
瞬間的に怒りが込み上げてくる。
いくらなんでもやりすぎだよ・・・・ソレは・・・。
流石に文句を言おうと、オレが口を開きかけた時、楓さんは予想に反して、
とんでも無い事を言ってきた。


楓「スギケンさん・・・・。これは難しい問題のようですわね・・・。」

スギケン「そう思うのなら、もう・・・そのくらいにしておきましょうよ。」

楓「・・・・抱える問題を解決出来るかどうかは分かりませんが・・・・。」

スギケン「それ以上は・・・いくら楓さんでも・・・。」

楓「戻ってみますか? 過去に。」
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スギケン「だから・・・・」

スギケン「って・・・・なんですって?」

今、楓さんはなんと言ったんだろう・・・・“過去に戻りますか?”
言葉は理解できても、頭が理解できないでいる・・・・。

楓「・・・時間を・・・戻してみますか?」
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スギケン「言っている意味が・・・・良く分からないんですが・・・。」

楓「・・・・・・・・・。」

スギケン「・・・過去になんて・・・・戻れるわけ無いでしょう・・・。
      というか戻れたらやばいですよ。・・・・そうでしょう?」

スギケン「からかうのは止めてくださいよ・・・。」

楓「戻れますよ。禁呪ですけどね。」

スギケン「戻れるって・・・・本当に過去にですか?」

楓「う~ん・・・少し違いますね。正確には、過去に戻れるわけではありません。」
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スギケン「それは・・・どういう。」

楓「当時のあなたの意識を、今のあなたの意識に切り替える。」
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スギケン「い・・・意識を・・・切り替える・・・ですって?」

楓「そうです。 どうします?」
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スギケン「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!! いきなりそんな事を言われても
      オレには何がなんだか・・・・。」


楓「いえ・・・スギケンさんが行くのか、行かないのかは
  既に決まっている筈ですよね・・・。」

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楓「スギケンさん、事件の前後で・・・記憶障害とか、起こしていませんか?」

スギケン「そういえば・・・・事件の2日前・・・・
      彼女に一緒に絵本を作らないかって言われて・・・・
      そのあと、夏になったら二人で海に行こうって提案を断った
      辺りからの記憶が・・・ちょっと曖昧な気が・・・・。」

楓「なら、スギケンさんは行ったんですよ。 過去にね。」
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楓「意識が切り替わっている間の本来の意識はスリープ状態になりますから、
  その時、当時のあなたの意識は止まっていたのですね。」


スギケン「・・・・・・・・・・。」

スギケン「ま・・まぁ、仮にそうだとして・・・・過去に行っている間、
     今現在のオレの体はどうなるんです?」


楓「まぁ・・・意識が向こうに行ってしまっている訳ですから・・・・。
  その・・・・。」

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楓「無防備というか・・・・仮死状態?」
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スギケン「こわっ・・・・。」

楓「スギケンさん、いつから当時の正確な記憶を持っています?」

スギケン「それは・・・・事件当日の朝・・・・確か日曜日・・だったかな。
      彼女を見送りに行かなきゃ・・・って、いつもより
      早起きしたのを覚えているから・・・。」

・亜美の家に遊びに行った夜→就寝
・記憶が曖昧な一日
・事件当日の朝からの記憶はある


スギケン「こんな感じだと思う・・・。」

楓「なるほど。では切り替わったのは恐らくその一日ですわね。」
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スギケン「・・・・・・・・・・。」

スギケン「でも・・・過去を変えるなんて事は出来ないんでしょう? 楓さん。」

楓「その通り。
  映画“タイムマシン”でも言っているように、例えあなたが彼女を
  飛行機に乗せないように仕向けたとしても、別な要因で同じ時間に
  彼女は亡くなる事になるでしょうね。
  一度決まった事象を変える事は、この世界が許さない。

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楓「だから、過去に戻ったとしても、あなたの抱える喪失感を埋める事は
  出来ないでしょう。結果は変わらないのですから。
  むしろ、悪戯に傷口を広げるだけで終わってしまう可能性だってあります。」

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楓「でも・・・あなたは、心残りな事。 そして伝えたい事があるのでしょう?」
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スギケン「・・・・・・・・・。」

スギケン「・・・・・・・・はい。」

楓「ならば誘いましょう・・・二年前の過去へ。
  そこで心残りを解消出来るかどうかは・・・・。」

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楓「あなたしだいです。」
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スギケン「・・・・・・・・・。」


楓「でも、その前に朝食を食べていってくださいね。
  私がここに来たのは、本来それを伝える為だったんですから。
  エステルが心配していましたよ。いつも休日でも9時には
  朝食を摂るのに、今朝は降りてこないって。」

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つづく

 SD16綾瀬亜美

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